こんにちは、藤野雄太です。
本日の探究授業動画はこちら!
スティーブ・ジョブズは「死は生命最大の発明」だと言いました。
いま、科学者はこの言葉を示唆するような「死のシステム」を解明しようとしています。
人は死を絶対に避けることができない(=寿命に上限がある)運命です。
そして、私たちを死へ向かわせるシステムを象徴するのが「テロメア」です。
テロメアは細胞の中の核にある染色体に備わっている赤いキャップのような部分です。
ひものようになっているDNAの両端にあり、DNAを保護する役割をになっています。
人間の体には37兆もの細胞があり、常に分裂を繰り返し新陳代謝をしています。
しかし、テロメアは細胞が分裂するたびに短くなってしまうのです。
テロメアが短くなるとDNAが傷つきやすくなり、細胞分裂もスムーズにできません。
新陳代謝が進まなければ細胞が老化していきます。
細胞老化が進むと体が衰えていき死へと向かいます。
これが寿命に上限がある「死のシステム」です。
そこで人間は科学技術によりテロメアを修復させることを試みました。
ある実験でマウスのテロメアを修復させることに成功しました。
しかし、予期せぬ事態が起きてしまいました。
細胞の老化はおさえることができたのですが、組織がガン化したのです。
当然、ガン細胞が増えると命を落としてしまいます。
人間は科学の力によりテロメアを修復させる技術を手に入れました。
しかし、それを実行するとガンになる。
ここには「不老不死は絶対に許さない」という死のシステムが存在しているかのようです。
はたしてテロメアは、死神なのでしょうか?
【探究テーマ1:なぜ、このような死を許さないシステムがあるのでしょうか?】
この続きは、次回の授業で話しましょう。
*参考文献 「死とは何か?」ニュートンプレス、NHK「ヒューマニエンス」、「死とは何か イエール大学で23年連続の人気講義」(文響社)
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