こんにちは、藤野雄太です。
昨年の秋から今年の春にかけて、町のあちこちでたくさん見かけるようになったカメムシ。
みんなに嫌われるこの虫ですが、農林水産省によると、カメムシの警報や注意報が9月10日時点で、過去10年間で一番多い61件も出されました。
では、どうしてカメムシはこんなにたくさん増えているのでしょうか?
【2024年9月17日 読売新聞】
家の窓や街灯、ベランダなどで、体長1.5センチほどの緑色の五角形の小さな虫を見かけた人も多いだろう。ツヤアオカメムシだ。モモやナシなどの果樹を食い荒らす「果樹カメムシ類」という病害虫に分類される。刺激を与えると、外敵から身を守るために腹側の臭腺という部位から悪臭の分泌液を出す。
その果樹カメムシ類が昨秋、住宅街などに大量に現れた。
50年以上カメムシを研究する京都大の藤崎憲治名誉教授によると、普段は山林に生息し、スギやヒノキの実をえさにしているが、昨年は花粉が増えて実が豊作だったという。
藤崎さんは「越冬前に、えさを求めて果樹園に飛来したり、光に誘われて住宅街に侵入したりしてきた」と推測する。昨秋の大発生の影響で今秋も多くなる可能性があるという。
果樹カメムシ類の場合、寿命は1年ほどで、8~9月に成虫になって越冬し、翌年7月頃に産卵して世代交代する。藤崎さんは「温暖化により暖かい気候を好むカメムシも多く生き残れるようになった」と話す。
【語句の意味】
★街灯(がいとう): 夜(よる)になると道(みち)や公園(こうえん)などを、あかるく照(て)らしてくれる電気(でんき)の灯(あか)り。
★豊作(ほうさく): 畑(はたけ)や田(た)んぼで育(そだ)てているお米(こめ)や野菜(やさい)、果物(くだもの)などが、いつもよりたくさん収穫(しゅうかく)できること。
★越冬(えっとう): 動物(どうぶつ)や植物(しょくぶつ)が寒(さむ)い冬(ふゆ)を乗(の)り越(こ)えて生(い)きのびること。
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