こんにちは、藤野雄太です。

 

トランスジェンダーが戸籍上の性別を変えるためには、生殖能力を失わせる手術が必要です。

この要件が憲法に違反しているかが争われた裁判で最高裁は25日、「違憲」との決定を出しました。

背景には国内や海外での社会情勢の変化があります。

【2023/10/26朝日新聞】

トランスジェンダーが戸籍上の性別を変えるのに、生殖能力を失わせる手術を必要とする「性同一性障害特例法」の要件が、憲法に違反するかが問われた家事審判で、最高裁大法廷は２５日、要件は「違憲で無効」とする決定を出した。

特例法は性別変更に五つの要件を定めており、そのうち「生殖腺がないか、その機能を永続的に欠く」（生殖不能要件）と、「変更する性別の性器に似た外観を備えている」（外観要件）は手術要件と呼ばれる。前者を満たすには精巣・卵巣の摘出、後者は陰茎切除などが原則必要とされる。

今回の審判では、出生時の性別は男性で、女性として社会生活を送るトランス女性が、手術なしでの性別変更を求めた。

最高裁は、自認する性別で法的に扱われることは「重要な法的利益」と指摘。生殖不能要件は、幸福追求権を定めた憲法１３条が保障する「自己の意思に反して身体への侵襲を受けない自由」を制約すると述べた。

一方、最高裁は、外観要件については、高裁段階で検討されていないとして自ら判断を示さず、審理を高裁に差し戻した。

【語句と意味】

★戸籍(こせき)： かぞくの名前・かんけいなどをしるした、おおやけの書きもの。

★生殖(せいしょく)： 生きものが自分とおなじ種類(しゅるい)の生きものを新(あたら)しくつくること。

★要件(ようけん)： ひつような条件(じょうけん)。

＊学研新レインボー小学国語辞典

【探究テーマ】

特例法を改正して性別変更の要件から手術を外した場合、トイレや公衆浴場で安心安全を確保できなくなるという意見があります。あなたは性別変更の要件から手術を外す、外さない、どちらの立場をとりますか？その理由も書いてください。

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