こんにちは、藤野雄太です。
今年の学校は、
新型コロナウイルスの影響で約3ヶ月の休校を余儀なくされました。
子どもの意欲、学力をいかに取り戻すか。
多くの教師たちが悩んでいます。
そんな折、授業時間を年間で698時間も削減したのに、
子どもの学力は向上したという奇跡の学校があります。
福岡教育大附属福岡小です。
今日は、この事例をご紹介します!
以下、読売新聞(2020/9/17)からの引用です。
↓
<14→7教科に>
新型コロナウイルスによる休校などの影響で、
学校現場は授業の再編、見直しを進めている。
しかし、「学ぶべき内容」を詰め込むだけでは
子どもの成長にはつながらない。
コロナ禍は、授業のあるべき姿の再考も迫っている。
将来的に実用性の低い手書きの作文やそろばんは外し、
体育、特別活動、家庭科の各教科で学ぶ
「食」はすべて「健康」に集める。
コロナ禍前から大胆な授業再編に踏み切ったのは
福岡教育大学附属福岡小学校(福岡市)だ。
2015年度からカリキュラムのスリム化を研究。
国語、算数、特別活動など14ある教科や活動を
「言葉」「数学」「人間」「社会」「科学」「芸術」「健康」
の7教科に組み替えた。
二つの古地図の三角形は同じ形に見えるけど、
どうやって確かめる?」
9月10日、6年2組の「数学」授業で
教科担任の西島大祐教諭(38)が問いかけた。
比の利用と図形の拡大・縮小、その面積を学ぶ
三つの単元は通常12コマ(1コマ=45分)かかるが、
三つの内容を並行して扱うことで6コマに短縮できた。
再編された教科の中心的な役割を担うのが
総合的な学習の時間、道徳、特活などを合体させた「人間」だ。
「テーマ学習」を通じて、
他の教科と自由自在に連携。
児童たちは、仲間や地域の人々と関わりながら教科を超えて学ぶ。
「豪雨災害からの復興」をテーマとした場合、
「社会」で市民と行政、
「科学」で土砂災害や気象、
「健康」で避難所の健康維持、
といったように各教科のテーマに沿った内容を取り上げる。
<応用力も上昇>
今春からの新学習指導要領で
小学1〜6年生の年間の標準授業時数は5785時間。
同小は昨年度、標準より1割超、
698時間を削減した。
学力は大丈夫なのか。
そんな声も上がりそうだが、
全国学力・学習状況調査の成績は大幅にアップ。
算数では、応用力を見るB問題で全国平均を100とすると、
14年の140から18年は163に上昇した。
同小研究部長の斎藤淳教諭(37)は
「子どもたちに好きなことをさせ、
字数も減らしたのに、学力も上がり驚いた」と話す。
<基準を明確化>
福井市立の至民中学校は、
「子どもにつけさせたい力」を基準に指導計画を組み直し、
コロナで混乱した学びを軌道に戻した。
学校再開後の6月、
学習の遅れの解消を優先したが、
教員の負担が増え、
生徒の勉強への興味も失われてしまった。
組み直し後、
国語では、三つある説明文の教材を一つに減らした。
総合学習は
「感染症対策を通して社会に関わる」
を課題に美術や保健の内容なども統合して学ぶことにした。
★一方で、学校行事のほとんどは残した。
「行動力」「集団力」「社会力」など
「つけさせたい力」を育むのに欠かせないからだ。
小林真由美校長(58)は、
「『つけさせたい力』を学ぶ基準にしたことで、
効率的な教科指導となった。
教員、生徒にとってもゴールが明確になり、
落ち着いて学校生活を送れるようになった」と話す。
<つけさせたい力>で活動を整理
新型コロナウイルスによる休校で大幅に減った授業時間。
教育課程に詳しい上智大の奈須正裕教授は、
そうした状況下で質の高い学びを実現するための
二つの方法を紹介する。
一つは、「つけさせたい力」を基準に
教材や活動を整理する。
例えば、国語のインタビュー学習は、
総合学習などで行うインタビュー活動に統合すれば
「深く考える学びが可能になる」という。
もう一つは、学ぶ内容の削減。
時計の読み方を小1算数から外し、
普段の生活で身につけさせることなどを例に挙げる。
ただし、学習指導要領にある内容は
勝手に削れないので注意が必要だ。
グローバル化やA Iの進展などへの対応で、
学ぶ内容は増え続ける一方、
授業時間は慢性的に不足している。
「時代に合った内容を加えるためにも、
指導要領を含めた大胆な授業時間の見直し、
スリム化を急ぐべきだ」
と奈須教授は指摘する。
↑
以上、引用ここまでです。
福岡教育大附属は授業科目を、
人間、科学、芸術などの7教科に再編しました。
「再編」という言葉が使われています。
しかし、プラトンが古代ギリシャのアテネに開設した学園、
アカデメイア(「アカデミー」の語源)では、
必須の教養として「自由7科」を教えていました。
(文法学、修辞学、論理学、算術、幾何、天文学、音楽)
余談ですが、古代ギリシャでは音楽は数学の一部として扱われていました。
「スイングアカデミーは塾なのに、なぜピアノ教室をしているのですか?」
とよく聞かれます。
理由はピアノは心を育てるだけではなく、
数学(学問)的思考を教科する最強のトレーニングだからです。
例えば、バッハの音楽はとても数学的です。
話を戻します。
福岡教育大学附属の7教科は、
現代版の「自由7科」と言えるでしょう。
であるとすれば、これは「再編」ではなく、
教育の起源に戻った改革だと言えるでしょう。
ただ、注意しておきたいのは、
学ぶ科目を「再編」し「削減」するだけでは、
子どもの学力を上がりません。
ポイントは子どもたちが「主体的」に学ぶかどうかです。
福岡教育大付属では学ぶテーマを定め、
子どもたちに好きなことをさせたからこそ、
主体的な学びにつながり成績が上がったのです。
スイングアカデミーの「5科目100点アップ成績保証制度」
の土台となる「50時間定期テスト対策」も、
事前に「学ぶテーマ」(課題)を設定し、
子どもたちに自由に取り組ませるからこそ、
子どもが意欲的になり圧倒的な成績アップを実現しています。
今、コロナ禍で学びの制約条件が変わっています。
だからこそ、教師や親が子どもに「つけさせたい力」を考え、
効率的な学びを提供してあげることが大切です。
授業時間を減らしているのに、
子どもの成績を上げている福岡教育大付属の事例。
ぜひ、参考にしてみてください。
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