勉強しなさいと言わずに成績が上がる!

すごい学習メソッド

2026年10月30日

勉強しているのに成績が上がらない原因とは?「知識のペタペタ貼り勉強」の落とし穴

毎日勉強しているのに、なかなか成績が上がらない」

「塾では問題が解けるのに、テストになると間違えてしまう」

「何度教えても、同じところで間違える」

このようなお悩みを抱えている保護者の方は、少なくないのではないでしょうか。

成績が上がらないと、つい「勉強時間が足りないのでは?」「もっと多くの問題を解かせたほうがいいのでは?」と考えてしまいます。

もちろん、学習時間や問題演習の量も大切です。

しかし、私は20年以上にわたって子どもたちの学習指導に携わるなかで、成績が伸び悩む原因は、必ずしも勉強量だけにあるわけではないと感じてきました。

特に注目しているのが、学んだ知識が頭の中でどのようにつながっているか、という問題です。

私は、知識を一つずつ覚えていくだけの学習を「知識のペタペタ貼り勉強」と呼んでいます。

今回は、認知科学者・今井むつみさんの著書『学びとは何か―〈探究人〉になるために』(岩波新書)を参考に、成績が上がらない原因の一つである「知識のペタペタ貼り勉強」と、本当に学力を伸ばす学習方法について解説します。

1. 成績が上がらない原因は「知識のペタペタ貼り勉強」かもしれない

例えば、小学生の算数を考えてみましょう。

今日は三角形の面積の公式を覚える。

次に台形の面積の公式を覚える。

その次は円の面積の公式を覚える。

そして、次々と新しい単元へ進んでいく。

一見すると、順調に勉強が進んでいるように見えます。

しかし、ここに大きな落とし穴があります。

それぞれの公式を覚えていても、

「なぜ、その公式になるのか?」

「以前に学んだ公式と、どのような関係があるのか?」

「別の問題でも、その知識を使えるのか?」

といったことを理解していなければ、知識はバラバラのままになってしまいます。

例えるなら、パズルのピースを次々と集めているようなものです。

どれだけたくさんのピースを持っていても、それらがつながらなければ、一枚の絵は完成しません。

勉強も同じです。

知識を増やすことは大切ですが、知識を増やすだけでは、初めて見る問題を自分で考えて解く力は十分に育ちません。

これが、私の考える「知識のペタペタ貼り勉強」の問題点です。

2. 本当の学びとは、知識をつなげて「考える仕組み」をつくること

認知科学者の今井むつみさんは、著書『学びとは何か』の中で、人間の知識は単なる情報の寄せ集めではなく、互いに関連づけられたシステムとして成り立っていることを説明しています。

この考え方は、子どもの学力を考えるうえで非常に重要だと私は感じています。

人間は、新しいことを学ぶとき、それまでに身につけた知識を使って理解しようとします。

そして、新しい知識と以前の知識を結びつけていきます。

ときには、それまで正しいと思っていた考え方を修正し、知識のつながりそのものを組み直すこともあります。

つまり、学びとは単に知識を一つずつ追加していくことではありません。

知識同士を関連づけながら、頭の中に「自分で考える仕組み」を育てていくことなのです。

この仕組みが育っていれば、初めて出会う問題でも、これまでに学んだことを組み合わせながら考えられるようになります。

一方、知識がバラバラのままだと、習ったとおりの問題は解けても、少し条件が変わっただけで解けなくなってしまうことがあります。

「何度教えても同じ間違いをする」という現象も、知識同士のつながりが十分に育っていないことが原因の一つになっていると考えられます。

3. 公式を丸暗記している子と、本当に理解している子の違い

具体的な例を挙げてみましょう。

三角形の面積の公式は、

「底辺×高さ÷2」

です。

この公式を覚えること自体は、それほど難しくありません。

では、お子さんに次の質問をしてみてください。

「どうして最後に2で割るの?」

答えられるでしょうか?

三角形の面積の公式は、平行四辺形の面積とつながっています。

同じ三角形をもう一つ用意して組み合わせると、平行四辺形を作ることができます。

平行四辺形の面積は「底辺×高さ」。

三角形はその半分なので、最後に2で割るのです。

この仕組みを理解している子どもは、以前に習った平行四辺形の知識を使って、三角形の面積を理解しています。

一方、公式だけを丸暗記している子どもは、「三角形の面積」という独立した知識を一つ覚えているだけかもしれません。

両者とも、基本問題であれば正解できます。

しかし、三角形の向きが変わったり、高さが図形の外側にあったりすると、理解の違いが表れることがあります。

公式の意味を理解している子どもは、図形を見ながら自分で考えることができます。

これが、知識がつながっていることの強みなのです。

4. 先取り学習や公式の暗記だけでは、なぜ成績が伸びないことがあるのか?

ここで誤解していただきたくないのは、先取り学習や暗記そのものが悪いわけではない、ということです。

基礎知識を覚えることは大切ですし、先取り学習が効果的な場合もあります。

問題は、学習の目的が「新しい知識を覚えること」や「次の単元へ進むこと」だけになってしまうことです。

私は20年以上の指導経験から、成績が伸びる子と伸び悩む子を分ける大きな違いの一つは、「一度学んだ知識を、その後どのように使っているか」にあると感じています。

成績が伸びる子は、一度学んだ知識を使い、さまざまな類題を解きながら理解を深めていきます。

例えば、公式を学んだら、その公式を使う別の問題を解いてみる。

以前に習った内容とのつながりを考えてみる。

問題の数字や条件が変わっても、自分で解けるか確かめてみる。

こうした経験を通じて、覚えた知識が実際に使える知識へと育っていくのです。

一方、成績が伸び悩む子には、一度教わっただけで「もうわかった」と思い込み、十分に知識を活用しないまま次へ進んでしまうケースが少なくありません。

つまり、知識を次々とペタペタ貼り付けているものの、知識同士が十分につながっていないのです。

これでは、同じ問題を繰り返し間違えてしまうこともあります。

大切なのは、学習の進度だけではありません。

学んだことを、どれだけ自分の力で使えるようになっているか。

ここに目を向ける必要があると考えています。

5. 家庭でできる!子どもの「考える力」を育てる3つの質問

では、子どもの知識をつなげるために、保護者はどのような関わり方をすればよいのでしょうか?

私は、家庭でも次の3つの質問を意識していただくことをおすすめしています。

①「なぜ、そうなるの?」

正解か不正解かだけではなく、理由を考える質問です。

例えば、算数の公式なら、「どうしてこの計算で答えが出るの?」と聞いてみる。

答えの出し方を説明することで、子ども自身も理解できている部分と、曖昧な部分に気づくことがあります。

②「前に習ったことと、どこが似ている?」

新しい知識と以前の知識をつなげる質問です。

例えば、三角形の面積を学んだときに、「平行四辺形の面積と、何か関係があるかな?」と問いかけてみる。

こうした質問が、バラバラだった知識を関連づけるきっかけになります。

③「ほかの問題でも使えるかな?」

学んだ知識を別の場面でも使えるか確かめる質問です。

例えば、三角形の向きを変えてみたり、数字を変えてみたりする。

単に答えを覚えるのではなく、自分で考えて解けるかを確認します。

大切なのは、保護者がすぐに正解を教えることではありません。

子ども自身が考え、知識同士のつながりに気づく機会を作ることです。

もちろん、一度質問しただけですべてを理解できるわけではありません。

類題を解く、図を描く、自分の言葉で説明する。

こうした経験を繰り返しながら、知識をつなげていくことが大切です。

6. スイングアカデミーが「知識をつなげる学び」を大切にする理由

私が代表を務める個別指導塾スイングアカデミーでは、単に問題の解き方を教えたり、先取り学習を進めたりするだけではなく、子ども自身が考える力を育てることを大切にしています。

そのために力を入れているのが、「個別指導」と「探究授業」です。

個別指導では、知識をつなげて理解する力を育てる

教科学習では、単に正解を教えるだけでなく、

「なぜ、この解き方になるのか?」

「以前に学んだ知識を使えないだろうか?」

「別の問題にも応用できないだろうか?」

といった問いを大切にしています。

また、一度学んだ知識を使って類題を解くことも重視しています。

解き方を覚えるだけでなく、自分の力で考え、別の問題にも応用できるようになることを目指しているからです。

単に知識をペタペタと貼り付けるのではなく、知識同士をつなげながら、深い理解を育てていきます。

探究授業では、自分で問いを立てて考える力を育てる

スイングアカデミーでは、教科学習に加えて、探究授業にも力を入れています。

探究授業では、子どもたちが自ら問いを立て、情報を集め、考え、自分の言葉で表現していきます。

例えば、世界で起こっているニュースを題材にした授業でも、ニュースの内容を覚えることが目的ではありません。

「なぜ、この出来事が起こったのだろう?」

「以前に学んだことと、どのような関係があるのだろう?」

「自分だったら、どのように考えるだろう?」

このような問いを通して、子どもたちはすでに持っている知識を活用しながら、新しいことを理解していきます。

私は、こうした経験の積み重ねが、教科学習にもつながる「自分で考える力」を育てると考えています。

探究授業で考える力を育み、教科学習で知識を深め、その知識を別の場面でも活用する。

スイングアカデミーが目指しているのは、このような学びの循環です。

7. 勉強時間を増やす前に、学び方を見直してみよう

子どもの成績が上がらないとき、勉強時間を増やしたり、問題集を追加したりすることも、一つの方法でしょう。

しかし、その前にぜひ確認していただきたいことがあります。

それは、お子さんが「知識のペタペタ貼り勉強」になっていないか、ということです。

公式は覚えているけれど、なぜその公式になるのかわからない。

習った問題は解けるけれど、少し条件が変わると解けない。

新しい単元へは進んでいるけれど、以前に学んだ知識を十分に使えていない。

もし、このような様子が見られたら、単に新しい問題を増やすのではなく、一度立ち止まって、知識同士のつながりを確認してみてください。

知識を覚える。

以前の知識と結びつける。

別の問題でも使ってみる。

自分の言葉で説明する。

必要に応じて考え方を修正する。

こうした積み重ねによって、頭の中に「自分で考える仕組み」が育っていきます。

勉強とは、知識をペタペタと貼り付けることではありません。

知識をつなぎ、使い、考える力を育てること。

私は、これこそが本当の意味で子どもの学力を伸ばす学びだと考えています。

そして、子どもたちが自ら考え、学び、夢に向かって挑戦できるようになること。

それが、スイングアカデミーの目指す教育です。

スイングアカデミーの個別指導・探究授業について

スイングアカデミーでは、横浜みなとみらい教室と全国オンラインで、子どもたちの学びをサポートしています。

教科の成績アップだけでなく、子ども自身が考え、学び続ける力を育てたい。

そのようにお考えの保護者の方は、ぜひ一度スイングアカデミーの教育方針をご覧ください。

「夢を、学ぶ力に。」

子どもたちが自分の可能性を広げていけるよう、一人ひとりの学びと挑戦を応援しています。

スイングアカデミー公式HP

https://swing-jyuku.jp


*参考文献:今井むつみ『学びとは何か―〈探究人〉になるために』岩波新書

好きを「探」して「究」める探究教育家・藤野雄太

個別指導塾スイングアカデミー代表。20年以上にわたり子どもたちの学習指導に携わり、探究授業と教科学習を通して、子どもが自ら考え、学び、挑戦する力を育む教育に取り組む。

著書『勉強しなさいと言わずに成績が上がる!すごい学習メソッド』