月謝3万円でも、当初の計画を上回る子どもたちが通う野球教室。
小中学生の練習にも、メジャーリーグなどで使われる計測機器が導入され、データ分析とプロの指導を組み合わせた「ハイテク野球教室」が注目されています。
2026年11月4日付の日経MJでは、こうした野球教室の広がりが紹介されました。
この記事には、野球の上達に加えて、子どもの「自分で考える力」を育てるヒントがあると感じました。
こんにちは。個別指導塾スイングアカデミー代表、好きを「探」して「究」める探究教育家・藤野雄太です。
今回は、ハイテク野球教室の事例から、子どもの「好き」や夢・目標を、探究学習につなげる方法を考えます。
記事で紹介されている東京・豊洲の野球教室では、月4回、1回90分の受講で月謝3万円。入会金や年会費は別ですが、当初の計画を上回る約50人が通っているそうです。
特徴は、計測機器を使って子どものプレーを数値で捉え、その結果を指導に生かしていることです。
球速やボールの回転数、バットを振る速さなどを計測し、一人ひとりの課題や改善点を探っていきます。
記事には、子どもがコーチの助言を受けて投げ方を変え、画面に表示される数値を確かめながら、繰り返しフォームを修正する様子が描かれています。
「自分では、こう動いたつもりだった」
「実際には、こういう結果になっていた」
自分の感覚と実際の動きを照らし合わせることで、次に何を工夫すればよいかを考える手がかりが得られます。
私は、この「試して、確かめ、また工夫する」という過程に、探究学習とのつながりを感じました。
探究学習とは、自分で問いを持ち、情報を集めたり、予想を立てて試したりしながら、答えを探していく学びです。
その入り口は、子どもが夢中になっていることの中にもあります。
「もっと速い球を投げたい」
「次の試合でヒットを打ちたい」
「将来、プロ野球選手になりたい」
こうした夢や目標は、「そのためには、どうすればいいだろう?」と考えるきっかけになります。
例えば、もっと速い球を投げたい子なら、次のような探究が考えられます。
1.問いを持つ
「どうすれば、今より速い球を投げられるだろう?」
2.情報を集める
自分の動きや計測結果を確認し、コーチの助言を聞く。
3.仮説を立てる
「体の使い方を変えたら、球速が変わるかもしれない」と予想する。
4.試して確かめる
実際に投げ、動きや数値の変化を確認する。
5.振り返り、次の工夫を考える
うまくいった点や課題を整理し、次に試すことを決める。
このように、子どもの「できるようになりたい」という思いから、探究を始めることができます。
「自分で考えて行動できる子になってほしい」
そう願う保護者の方は多いと思います。
その力を育てるうえで大切なのは、子ども自身が考え、判断し、試す経験を重ねることです。
データを見て、何に気づいたのか。
コーチの助言を、どう理解したのか。
次は何を変えてみたいのか。
計測機器も、データも、大人の助言も、子どもの思考を支える手がかりになります。
本人が「なぜだろう?」「次はこうしてみよう」と考える時間を持つことで、課題を見つけ、解決に向けて行動する経験が積み重なっていきます。
夢や目標を掲げ、その実現に向けて探究する。
私は、この過程で「自分で考える力」が養われていくと考えています。
夢や目標は、最初から大きくなくても構いません。
「次の試合で1本ヒットを打ちたい」
「昨日できなかったことを、できるようにしたい」
その子自身の「こうなりたい」が、学びを動かす出発点になります。
好きなことを究めようとする過程は、教科学習にもつなげられます。
野球なら、球速の変化を比較したり、練習記録をグラフにしたりすることが、数値を読み取る学びにつながります。
ボールの回転や飛び方に疑問を持てば、理科を学ぶ入り口にもなります。
「これ、何のために勉強するの?」
子どもがそう感じているとき、自分の好きなこととのつながりが見つかると、学ぶ意味を実感しやすくなります。
「もっと上手くなりたいから、知りたい」
「自分の疑問を解決したいから、調べたい」
このような気持ちを育てることも、教育の大切な役割だと考えています。
野球だけではありません。
料理が好きなら、材料の分量や加熱による変化。
昆虫が好きなら、生息する場所や季節による違い。
ダンスが好きなら、体の動かし方や表現の工夫。
子どもの好きなことの中には、学びにつながる問いがたくさんあります。
ご家庭でも、子どもの探究心を支えることができます。
習い事や好きなことに取り組んだ後に、次のように声をかけてみてください。
「今日は、どんなことを試した?」
子どもが自分で工夫したことや、挑戦したことを振り返るきっかけになります。
「やってみて、何が変わった?」
取り組みと結果を結びつけて考え、気づいたことを言葉にする機会になります。
「次はどうしてみたい?」
これまでの経験をもとに、次の行動を自分で考える問いかけです。
子どもが話し始めたら、その工夫や発見に耳を傾けてみてください。
「そんなことを考えていたんだね」
「そこを変えてみたんだね」
大人が興味を持って聞く時間を、子ども自身が学びを振り返る機会にしていきたいですね。
個別指導塾スイングアカデミーでは、みなとみらい教室と全国オンラインで探究授業を行っています。
大切にしているのは、子どもの好奇心を出発点にする「好奇心ファースト」です。
興味を持ったことから問いを見つけ、自分で考え、調べ、試し、自分の言葉で表現する。その経験を、教科学習にもつながる土台として育てていきます。
「うちの子が夢中になれることを見つけたい」
「好きなことを、学ぶ意欲につなげたい」
「自分で考え、行動する力を育てたい」
お子さまの学びについてお考えの方は、当サイトのお問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。
子どもの「好き」と「こうなりたい」を、自ら学ぶ力へ。
一人ひとりの夢や挑戦を、一緒に応援していきます。
執筆:好きを「探」して「究」める探究教育家・藤野雄太
個別指導塾スイングアカデミー代表
著書『勉強しなさいと言わずに成績が上がる!すごい学習メソッド』
参考:2026年11月4日付 日経MJ「野球少年に160キロの扉」
※掲載記事で紹介された事例をもとに、探究教育の視点から考察しています。
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