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2026年11月2日

アメリカ中間選挙とは? 共和党と民主党の違いを親子で探究【未来の授業】

「アメリカ中間選挙って、何を決める選挙?」
「共和党と民主党は、どう違うの?」

子どもからこう聞かれたら、どのように答えますか。

2026年11月3日、アメリカでは中間選挙が行われます。遠い国の政治に見えますが、選挙で問われているのは、物価や仕事、移民、戦争など、私たちの暮らしにもつながる問題です。

この記事では、中間選挙の仕組みと両党の考え方を、親子で話せるように解説します。さらに、「自分が有権者や政治家だったら」と考える探究の問いも紹介します。

こんにちは。好きを「探」して「究」める探究教育家・藤野雄太です。

みなとみらい教室と全国オンラインで学べる個別指導塾スイングアカデミーでは、世界のニュースを入り口に、子どもが自ら問いを立て、考え、表現する探究授業を行っています。

今回の「親子で探究!未来の授業」は、アメリカ中間選挙を通して「社会の変え方」を考える時間です。

■ アメリカ中間選挙とは? 大統領選挙との違い

中間選挙は、大統領の4年間の任期の中間に行われる選挙です。

大統領を選び直すのではなく、主に連邦議会の議員を選びます。州知事などの選挙も同時に行われます。

連邦議会は、国の法律や予算を決めるところ。「上院」と「下院」の二つがあります。

・上院:定数100人。各州から2人ずつ選出。任期は6年で、2年ごとに約3分の1を改選します。
・下院:定数435人。各州の人口に応じて議席を配分。任期は2年で、2年ごとに全議席を改選します。

2026年は、上院35議席(補欠選挙を含む)と、下院435議席が改選対象です。

大統領の仕事ぶりに満足している人は、大統領を支える党の候補に投票するかもしれません。不満がある人は、対抗する党の候補を選ぶかもしれません。

こうした意味から、中間選挙は「大統領の通信簿」とも呼ばれています。

■ 「トリプルレッド」とは? 今回の選挙が重要な理由

アメリカの政治の中心となる二大政党は、トランプ大統領が所属する「共和党」と、対抗する「民主党」です。

共和党のシンボルカラーは赤、民主党は青です。

現在は、大統領も、上院・下院の多数派も共和党。この状態を「トリプルレッド」と呼びます。

大統領と議会の多数派が同じ党なら、政権の政策を議会で支えやすくなります。一方、民主党がどちらかの議会で多数派になれば、法律や予算をめぐる対立や、政権への監視が強まります。

10月27日付の読売新聞などは、下院では民主党が優勢で、上院も接戦と伝えています。

共和党が多数派を守るのか、民主党が奪い返すのか。その結果は、トランプ大統領の残り2年間の政権運営に関わります。

ただし、共和党が負けても大統領は交代しません。大統領には議会とは別に行使できる権限もあり、政策がすべて逆転するわけではありません。

■ なぜトランプ氏は支持されたのか

今回の選挙を理解するために、トランプ氏が支持された背景も見てみましょう。

世界との貿易が広がり、成長した企業や地域がある一方、海外との競争で工場や仕事を失った地域もありました。

社会が豊かになっていると言われても、自分の暮らしはよくならない。政治や経済を動かす人たちには、自分たちの苦しさが伝わっていない。

そう感じる人々の不満をすくい上げ、「アメリカの仕事を取り戻す」と訴えたのがトランプ氏です。

2016年に初当選し、2024年には、民主党のバイデン政権下での物価高への不満も追い風となり、大統領に返り咲きました。

ところが今度は、関税やイランとの戦争が物価を押し上げる要因となり、共和党支持者の間でも暮らしへの不満が強まっています。

支持の理由は一つではありませんが、「生活をよくしてほしい」という期待は、選挙を理解するうえで大切な視点です。

■ 物価高は、アメリカの子どもにも身近な問題

10月29日付の読売KODOMO新聞は、アメリカで暮らす子どもたちが、お菓子や外食の高さを実感している様子を紹介しています。

いつも買っていたものが高くなる。
家族で気軽に外食できなくなる。

物価高は、大人だけの問題ではありません。

背景の一つにあるのが、関税です。関税とは、外国から輸入する品物にかける税金で、原則として輸入する企業が納めます。

仕入れの費用が増えると、その分が販売価格に上乗せされることがあります。輸入品だけでなく、外国製の部品や材料を使う製品にも影響します。

また、イランとの戦争によるエネルギー供給の混乱も、物価に関係します。石油が届きにくくなり、燃料が値上がりすると、品物を運ぶ費用なども増え、その負担が食品などの価格に広がることがあります。

物価高の原因は一つではありません。しかし、政治や国際情勢が、子どものお菓子の値段にもつながっているのです。

■ 共和党と民主党の違いを、二つの争点から考える

両党にはさまざまな政策があり、同じ党でも候補者によって考え方は異なります。

ここでは、今回のニュースと関係の深い「関税」と「移民」に注目します。

① 関税と、国内の仕事をどう考えるか

共和党・トランプ政権は、関税で国内の産業や雇用を守ることを重視しています。

外国製品の価格が上がれば、アメリカ製品が選ばれやすくなる可能性があります。関税は、外国との交渉にも使われます。

一方、民主党は、広範な関税による企業や家庭の負担を批判し、議会による監督を強めようとしています。ただし、すべての関税に反対しているわけではありません。

ここで大切なのは、政策の目的と、実際に生じる影響を分けて考えることです。

仕事を守るという目的があっても、別のところで負担が増える可能性があります。

② 移民と、取り締まりをどう考えるか

共和党・トランプ政権は、国境管理や不法移民の取り締まり・送還を強めています。入国や滞在のルールを厳格に守らせ、国の安全やアメリカ人の仕事を守るためだと説明しています。

しかし、取り締まりの行きすぎも問題になっています。

ICE(アメリカ移民・関税執行局)などによる取り締まりでは、住宅街での催涙ガス使用や、撮影する人に銃を向ける事例が報じられています。アメリカ国籍を持つ人の拘束もあり、人々の安全や権利を脅かす手法への批判が出ています。

民主党も国境管理の必要性を認めつつ、公正な取り締まりや移民制度の改善を掲げています。

どんなルールを設けるかだけでなく、それをどのような方法で実行するかも、重要な論点です。

■ 家庭でできる探究①「あなたが工場で働いていたら?」

ここからは、親子で考える時間です。

あなたがアメリカの工場で働いていると想像してください。

安い外国製品に押され、勤め先の製品が売れなくなってきました。

「このままでは、仕事がなくなるかもしれない」

そんなとき、関税で国内の工場を守るという政策を聞いたら、どう感じますか。

ところが、買い物に行くと家電や日用品も値上がりしています。さらに、工場で使う外国製の部品まで高くなってしまいました。

仕事は守りたい。
でも、生活費が増えるのも困る。

親子で、次の問いを話してみてください。

「あなたなら関税に賛成? 反対? 仕事と暮らしを両方守るには、どんな方法がある?」

関税をかける品物を絞る。
国内の工場の技術開発を支援する。
働く人が新しい技術を学ぶ機会を増やす。

いろいろな案が考えられます。

案が出たら、「その方法で困る人はいないかな?」「必要なお金はどう用意しよう?」と、もう一歩考えてみましょう。

■ 家庭でできる探究②「あなたが大統領だったら?」

次は、移民への対応です。

「あなたが大統領だったら? 滞在する資格がない人でも、きちんと働き、みんなの役に立っていたら帰国してもらう? 条件を決めて働き続けられるようにする? それとも、別の方法を考える?」

子どもの答えを聞いたら、すぐに正しい・間違っていると判断せず、理由を尋ねてみてください。

「ルールを守ることを大切にしたんだね」
「家族の暮らしが気になったんだね」

何を大切にして考えたのかがわかると、会話が深まります。

そのうえで、提案した方法にはどんな課題があるかを一緒に考えます。自分の意見を持ちながら、別の立場からも見直す練習になります。

■ アメリカ中間選挙は、日本にどう関係する?

アメリカの関税は、日本から自動車や機械などを売る企業にも関係します。

中東の戦争によるエネルギー供給の混乱は、日本の電気代やガソリン代にも影響し得ます。

さらに、アメリカの外交や安全保障の方針は、世界の国々の判断にも関わります。

選挙結果だけですべてが決まるわけではありませんが、アメリカの政治がどの方向へ進むかは、日本に暮らす私たちにも重要です。

遠い国のニュースと、自分の暮らしのつながりが見えてくる。これも、ニュースを使った探究の魅力です。

■ 家庭でできる探究③「あなたの一票、その理由は?」

最後に、記事の最初の問いへ戻りましょう。

「あなたなら、共和党と民主党、どちらの候補に投票したい?」

ここで扱ったのは、数ある争点の一部です。実際に選ぶには、候補者本人の公約や実績を知ることも大切です。

そのうえで、今の時点での考えを話してみてください。

親子で答えが違ったら、

「何を一番大切にして選んだの?」

と聞いてみましょう。

「まだ決められない」でも構いません。何を知れば判断できそうかを考えることも、探究です。

さらに、こんな問いへ進めます。

「あなたが議員だったら、どんな政策を提案する?」

両党のよいところを組み合わせても、新しい方法を考えてもよいのです。

用意された選択肢から選ぶことを入り口に、自分で解決策をつくるところまで進んでみましょう。

■ ニュースを覚える学習から、社会を考える探究へ

知識は、自分で考えるための大切な材料です。

でも、政党名や選挙の仕組みを覚えたところで、学びを終わらせたくありません。

なぜ、この問題が起きているのか。
立場が違うと、何が違って見えるのか。
自分なら、どう解決したいのか。

私は、子どもたちに今の社会課題を知り、その解決策を自分の頭で考えてほしいと願っています。

出発点は、「面白そう」「自分ならこうする」という好奇心です。

家庭でも、親がすべての答えを知っている必要はありません。「一緒に調べてみよう」「その考えは面白いね。実現するには何が必要だろう」と話すことから、探究は始まります。

今日の食卓で、聞いてみませんか。

「あなたなら、今のアメリカをどう変えたい?」

■ みなとみらい・全国オンラインで学ぶ探究授業

個別指導塾スイングアカデミーの探究授業では、好奇心ファーストで世界のニュースや社会の課題に触れ、自ら問いを立て、考え、自分の言葉で表現することを大切にしています。

対象は小学1年生から高校3年生。みなとみらい教室と全国オンラインで学べます。

「なぜ?」から始まる好奇心を、学ぶ力や未来への挑戦につなげたい。お子さまの学びについてのご相談は、公式サイトのお問い合わせ窓口からお寄せください。

執筆:好きを「探」して「究」める探究教育家・藤野雄太
個別指導塾スイングアカデミー代表
著書『勉強しなさいと言わずに成績が上がる!すごい学習メソッド』

参考資料:
毎日小学生新聞(2026年9月20日)、読売新聞(同10月27日)、読売KODOMO新聞・毎日新聞(同10月29日)、米国政府の選挙解説、共和党綱領、民主党の公表政策、AP、ロイター/Ipsos、ProPublica。

※2026年11月2日執筆。選挙情勢は本文で示した報道時点の情報です。