こんにちは、藤野雄太です。
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あなたの顔には、「ある生き物」が住んでいます。
「ある生き物」は、あなたが夜眠っている時にあなたの毛穴から出てきて、顔の上で元気に活動しています。
ある実験で人間の顔に吸引機を顔に当てたところ、一度に40匹取れたというデータが存在します。
「ある生き物」は、あなたに悪さをしないため、あなたは気づかないだけなのです。
さて、「ある生き物」とは、いったいなんでしょうか?
それでは本日の新聞記事を読んでいきましょう!
【2022/9/3 日経新聞】
絶滅の縁に立つ動物を知ったとき、ほうっておけないと思う人は多い。
身近な動物であれば、なおさらだ。
しかし人間の顔にすみつくダニが消滅の危機にひんしていると聞いたら、複雑な気持ちになるだろう。
驚かすつもりはないが、あなたの顔にはきっとダニが潜んでいる。悪さをしないので気づかないが、ほとんどの人間から見つかっている。ある研究では毛穴吸引器で一度に40匹とれた。皮脂の多い額や小鼻の毛穴が好みの場所だ。
おそらくダニは赤の他人からは移ってこない。赤ちゃんのころに家族から頰ずりで祝福された経験はないだろうか。たぶん、そのときに引っ越してきた。
あなたが眠りについた夜にすみかの毛穴からはい出し、あなたの皮脂や分泌物をほおばりながら大宴会をしているはずだ。最愛の相手を探すパーティーかもしれない。大きさは約0.3ミリメートル。8本の足とソーセージのような体が特徴だ。
一部の科学者や皮膚科医は顔ダニとして関心を寄せてきた。英レディング大学のアレハンドラ・ペロッティ博士もその一人だ。
同大や英バンガー大学を含む国際チームは、ゲノム(全遺伝情報)の解析でダニのあまりに単純な姿を目の当たりにし「このまま絶滅へと突き進みかねない」との論文を6月にまとめた。研究成果を伝えるニュースが世界を駆け巡った。
このダニは近縁を見渡してもほぼ最小限となるゲノムしか持たず、生き抜くための重要な遺伝子を欠く。細胞の数はたかだか平均約900とわずか。小さなショウジョウバエと比べても500倍以上の差がある。足はたった3つの細胞で動き、極端に短い。長さは一般のダニに遠く及ばない。
奇妙な姿になったのは私たちにも原因の一端があるかもしれない。顔での生活に外敵やライバルはいない。よそ者は人間が追い払う。好物の皮脂も有り余る。
他との交流がないまま、やがてダニの一族は現状に甘えていく。そこに、必須とはいえない遺伝子に変異が蓄積し、消えていく自然の力が働いた。使うあてのない遺伝子を集団として手放したのだ。
生物でも企業でも環境に適応すれば生き残り、次代にバトンをつなぐ。ダニの一族が人間に頼りすぎ、遺伝子の多様性を失うのは将来に向けて大きなリスクを抱える。統計上は絶滅に向かうと国際チームはみる。
【語句の意味】
★皮脂(ひし): 皮脂腺から分泌される半流動性の脂肪性物質。皮膚・毛髪を滑らかにし、乾燥を防ぎ、防水に役立ち、細菌の侵入から皮膚を保護する。思春期に分泌が高まり性ホルモンの影響を受ける。
★吸引(きゅういん): 吸いこむこと。引きつけること。
★進化(しんか):進歩し発展すること。生物個体群の形質が、世代を経るにつれて遺伝的に変異し、元の種との差異が増大してゆくこと。
[広辞苑 第七版]
【今日のポイント】
ダーウィンは『種の起源』という本で、世の中には多様な生物が存在しているが、生き延びることができるのは進化できるものだけだと言いました。
進化しない生き物は、絶滅するしかないのです。
【探究テーマ】
顔ダニは人間の顔という敵が存在しない(=競争がない)環境で甘えて生きてきました。
その結果、進化することなく他のダニと比べると恐ろしいほど単純な体の構造で、絶滅の危機に瀕しています。
「進化しないものは滅びる」というのは、厳しいですが世の中の掟です。
あたなは自分をどのように進化させたいですか?
考えてみよう。
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